ソーシャルネットワーク(2010)

 

監督:デヴィッド・フィンチャー

 

物語

・エリカという女の子(マークの彼女)と2人で会話しているのだが、フラれる

・フラれた腹いせに彼女への中傷を含む記事をブログにアップ。そして、大学にハッキングを行い、ハーバード大の女子の顔を比較するサイトを立ち上げる。サイトはまたたく間にアクセス数が伸び、深夜だと言うのに大学のサーバーがダウンした程だった。

・マークはは反省の色は全く見せなかった。むしろ、サーバーをダウンさせるほどアクセス数を稼いだことで鼻高々だった。

・ウィンクルボス兄弟はその噂を聞きつけ、マークに仕事を依頼する。その仕事とは大学の排他的SNSの立ち上げで、ハーバード大のメールアドレスを持つ者のみが利用できる招待制のSNSだった。

・ウィンクルボス兄弟は依頼した仕事の催促を何度もするが、マークはこれを無視。マークは授業にも出ずにサイトの制作を続け、ついに「ザ・フェイスブック」をリリース。これは現実生活の社交をインターネットに持ち込むという画期的なサイトだった。

エドゥアルドの人脈を使ったこともあり、サイトはあっという間に大学で人気となる。

・ウィンクルボス兄弟たちはアイディアの盗用だとマークを訴えようとしたが、富裕層の出であり、かつボート部のエースである兄弟の一人が「ハーバードの紳士はそんなことはしない」と言い出したため、揉め事に至らなかった。

・マークは学内の有名人になり、嫌われ者から一転、人気者となった。ある日レストランで、エリカを見つけて声をかけるも彼女の反応は冷淡。ふたりだけで話したいと誘うものの、彼女からはあっさりと拒絶されてしまう。この出来事により、マークはハーバード大以外の大学にもサイトを広めようと動き出した。

・ショーン・パーカー登場。偶然フェイスブックのページを目にした彼はマークに興味を持つ。スポンサーを探しに来たマークとエドゥアルドはショーンと面会する。エドゥアルドはビジネス面の相談を持ちかけるも、ショーンは意に介さず。エドゥアルドは彼の人格や経歴に疑念を持ったが、マークは逆にショーンに共感し魅了されていた。別れ際、ショーンはマークに2つアドバイスする。「ザ」を取れ、「Facebook」このほうがシンプルでいい。東海岸より西海岸、シリコンバレーに来い。

・マークは拠点を西海岸に移すため、資金をエドゥアルドに頼む。しかし事業が好調になる一方で彼らの友人関係は悪化していた。エドゥアルドに断りなく判断するマーク、だが資金面はエドゥアルド頼みだった。プログラマー採用の面接会場、といっても堅苦しい場所ではない。学生たちが陽気に騒ぎ、当のプログラマーたちも酒を飲んでいる。エドゥアルドも楽しそうだ。

・マークは拠点を西海岸に移した、一方でエドゥアルドはニューヨークでスポンサー探しを続けていた。3週間後、エドゥアルドが西海岸にやってきた時、そこはショーンが牛耳る場所になっていた。事業とは無関係と思われる未成年らしき女の子がいて、しかもマリファナの類をやっているようだった。自分の知らないところで事が運ばれていることにエドゥアルドは激怒。ショーンがいると話にならないと判断しマークとふたりだけで話す。この3週間エドゥアルドはスポンサーを見つけられなかった一方、ショーンは投資先との契約を次々に成立させていた。エドゥアルドは会社の口座を凍結するが、これによってマークとの仲は悪化する。

Facebookは成長を続け、拠点はプール付きの家からオフィスビルへと移った。

株式の新発行により30%程だったエドゥアルドの持ち株が1%未満になってしまう。これは明白な罠であり、エドゥアルドは訴訟を起こす覚悟しろとマークに伝え、会社を去る。マークはこれはやりすぎだと後悔するが、ショーンは奴は契約の邪魔をしたと判断は間違っていないと主張。

・一方、ウィンクルボス兄弟もFacebookアメリカにとどまらず世界に進出していることを知り、訴訟を決意した。

 

 とまあ、あらすじを書いてきた。この映画は好きなんだけど、面白さの要因に物語の構成面が占める割合は少ないように思う。

・脚本の構成面で面白いのは、会社の業績が上昇するにつれて唯一人の友人であるエドゥアルドとの関係が悪化していく、という部分。

・個々の場面でも同様の描写はあって、例えばエドゥアルドから訴訟を起こすと言われ喧嘩別れするシーン。Facebookのユーザーが1億人を突破した瞬間が並行して描写されている。マークは、親友とケンカ別れをして、さらに、気になっていた女の子がいるのだがショーンが遊び感覚で手を出してその子も満更ではない様子を目の当たりにする。スタッフ皆がお祝いムードで騒いでいるなか、マークは自席でひとり座っている。外面的には大成功を収めている一方、内面的には幸せではないわけだ。

Facebookの誕生と成長が時系列で順に語られているのではなく、訴訟の場面が頻繁に挿入されていること。言い換えれば、物語における「現在」は訴訟の場面であり、ここを基点として過去が語られているということ。共同経営者にして唯一の親友から起こされている訴訟が、物語の基礎となることによって、若き億万長者であるマークのサクセスストーリーではないことが強調されている。

・個々のセリフと演技、これがこの映画の魅力のほとんどを占めている。異常者であるマークとショーン、常識人であるエドゥアルドの絡み。冒頭のマークとエリカの会話。最初から最後までマークが笑顔を見せないということ。エドゥアルドとショーンの最後の会話「お前の近くにいると、自分が強くなったように思える」ここのエドゥアルドの口元、ショーンの周りの視線を気にしつつ不安げな表情、最高である。