たったひとつの冴えたやりかた
映画『涼宮ハルヒの消失』のエンドクレジット後のシーン、図書館で長門が読んでいた本である。それで読んでみた。要するに聖地巡礼的なノリで手を出したわけだ。でも、やめたほうが良かった。ずっと未読のままで「長門の本」という不可侵のイメージを守るべきだった。
良かった点
・タイトルがかっこいい
・装丁のセンスが光る(早川書房; 改訳新装版)
主人公は親の目を盗んで宇宙の海へと繰り出す。15歳の少女の語りで展開する部分が多く、学校をサボって映画館に行った時のような、子どもらしい背徳感と開放感がこの物語の基調になっている。
SFなんだけど、スイッチの擬音が「カチッ、カチッ」だったりカセットテープが出てきたりと、現在では過去のものとなった技術が描かれていて、いわゆるレトロフューチャー的な嗜好があれば小道具のひとつひとつが楽しめる作品だと思う。
- 作者: ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/08/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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