たったひとつの冴えたやりかた

映画『涼宮ハルヒの消失』のエンドクレジット後のシーン、図書館で長門が読んでいた本である。それで読んでみた。要するに聖地巡礼的なノリで手を出したわけだ。でも、やめたほうが良かった。ずっと未読のままで「長門の本」という不可侵のイメージを守るべきだった。

 

良かった点

・タイトルがかっこいい

・装丁のセンスが光る(早川書房; 改訳新装版)

 

主人公は親の目を盗んで宇宙の海へと繰り出す。15歳の少女の語りで展開する部分が多く、学校をサボって映画館に行った時のような、子どもらしい背徳感と開放感がこの物語の基調になっている。

 

SFなんだけど、スイッチの擬音が「カチッ、カチッ」だったりカセットテープが出てきたりと、現在では過去のものとなった技術が描かれていて、いわゆるレトロフューチャー的な嗜好があれば小道具のひとつひとつが楽しめる作品だと思う。

 

たったひとつの冴えたやりかた 改訳版

たったひとつの冴えたやりかた 改訳版